DNDi(Drugs for Neglected Diseases initiative:顧みられない病気の新薬開発イニシアティブは、患者のニーズに基づいて、顧みられない病気のための新しい医薬品や治療法の開発(R&D)に共同で取り組んでいる非営利組織です。

DNDiは2003年に、国境なき医師団(MSF)オズワルド・クルス財団(ブラジル)インド医学研究評議会(インド)ケニア中央医学研究所(ケニア)マレーシア保健省(マレーシア)パスツール研究所(フランス)によって設立され、WHOの熱帯病医学特別研究訓練プログラム(WHO-TDR)が常任オブザーバーとして参加しています。

1990年代後半、途上国の現場で医療活動に従事していた国境なき医師団のチームは、顧みられない病気に苦しむ患者を治療できないことに苛立ちを募らせていました。患者の治療に使用する医薬品の効果がなかったり、強い副作用があったり、あるいは製造中止になって使用ができないなどの問題があったためです。そこで、国境なき医師団は、1999年に受賞したノーベル平和賞の賞金の一部を、患者のニーズを重視して、顧みられない病気に対する治療薬の研究開発(R&D)に取り組むための革新的な組織の設立に充てることに決定しました。

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顧みられない熱帯病による死者は世界で年間約100万人、さらにマラリアによる死者は88万人にのぼります。HIV感染によって死亡する子供たちも年間25万人以上です。

DNDiが取り組んでいる疾患は以下のとおりです。

  • アフリカ睡眠病(ヒトアフリカトリパノソーマ症)
  • リーシュマニア症
  • シャーガス病
  • 小児HIV(エイズ)
  • フィラリア症
  • マイセトーマ
  • C型肝炎
  • マラリア

DNDiは、設立以来、顧みられない病気に対して7つの新しい治療法を開発しました。

  • 2種類のマラリア合剤:ASAQ(2007年)、ASMQ(2008年)
  • アフリカ睡眠病の新しい治療法1種類:NECT(2009年)
  • 内臓リーシュマニア症(VL)の新しい治療法1種類:SSG&PM(2010年)
  • アジアにおける内臓リーシュマニア症(VL)に対する一連の治療法(2011年)
  • シャーガス病に対するベンズニダゾールの小児用製剤(2011年)
  • 結核に重複感染している小児HIVのためのSuperbooster Therapy(2016年)

DNDiは、以下と協力し、医薬品研究開発(R&D)プロジェクトの提案と調整に努めています。

  • 世界各国の研究機関
  • 公共機関
  • 製薬業界
  • その他の提携団体

DNDiは、感染症の流行国における既存の能力の強化にも取り組んでいます。
スイスのジュネーブに本部を置き、50名の研究者および専門家を擁しています。ブラジル、インド、日本、ケニア、マレーシア、米国の六か国には地域オフィスがあり、コンゴ民主共和国にはプロジェクトサポートオフィスがあります。