顧みられない病気は発展途上国において多くの患者と死亡者をもたらし、世界の疾病負担の11%を占めると言われています。しかしながら2000年から2011年までに承認された新薬850種類のうち、これらの疾患の治療を目的として開発されたものはわずか4%(新規化合物では1%)に過ぎませんでした。[1]

 

Human African Trypanosomiasis

アフリカ睡眠病

Leishmaniasisリーシュマニア症

アフリカ睡眠病(ヒトアフリカトリパノソーマ症(HAT))は、アフリカ37カ国で流行する風土病で、約1,300万人が中高程度の感染のリスクに晒されています。 ツェツェバエによって媒介され、治療しなければ死に至ります。アフリカ睡眠病の「後期ステージ」で使用されていた既存の治療薬は、毒性があり、投与が困難でしたが、それに代わる治療法の開発は25年もの間止まったままでした。そのため、DNDiは研究開発パートナーと協働し、2009年にアフリカ睡眠病の新たな治療法を導入しました。
詳細(英語)
世界の3億5,000万人がリーシュマニア症の感染のリスクに晒されています。感染を引き起こす原虫はリーシュマニアと呼ばれ、サシチョウバエによって媒介されます。リーシュマニア症は貧困と密接に関連する疾患で、治療しなければ死に至る内臓リーシュマニア症、最も患者の多い皮膚リーシュマニア症など複数の型があります。既存の治療薬は投与が難しく、毒性があり、高コストです。薬剤耐性の問題も深刻化しています。
詳細(英語)

シャーガス病

Paediatric HIV 小児HIV(エイズ)

シャーガス病は、ラテンアメリカの21カ国に見られ、それらの国ではマラリアを含む寄生虫疾患の中で最も多くの死亡が確認されています。世界中では合計7,000万人が感染のリスクに晒され、米国、オーストラリア、ヨーロッパなど流行国以外の地域における患者数も増えています。サシガメと呼ばれる昆虫によって媒介され、治療しなければ死に至る可能性があります。既存の治療薬の効果は低く、強い副作用があります。
詳細(英語)
現在、世界では3,670万人がHIV/エイズに罹患しています。そのうち210万人は15歳未満の子どもたちであり、そのほとんどがサブサハラアフリカに住んでいます。乳児のウイルス感染は、胎内、出生時、出生直後に起こり得ますが、治療しなければその半数が2歳までに死亡します。
詳細(英語)

Filarial Diseasesフィラリア症

Mycetomaマイセトーマ(菌腫)

フィラリア症(リンパ系フィラリア症(象皮病)、オンコセルカ症(河川盲目症)、およびロア糸状虫症(ロアロア))は慢性的な病状と生涯にわたる身体的障害により苦痛と社会的な偏見差別をもたらす疾患です。WHOは20年にわたり、イベルメクチンなどの薬剤集団投与によるフィラリア症制圧に取り組んできました。しかしながら現状の治療薬は仔虫(ミクロフィラリア)を死滅させるものであり、オンコセルカ症の場合では10-15年間、投与を継続する必要があります。そのため成虫(マクロフィラリア)への殺傷効果を有する治療薬が求められています。
詳細(英語)
マイセトーマ(菌腫)は著しく外見を損ない、身体的障害と生活の質の低下をもたらす疾患です。偏見差別を生み、患者に深刻な社会経済的損失をもらたします。明確な感染経路は解明されていません。熱帯・亜熱帯地域の多くで見られる疾患ですが、罹患率や有病率に関するデータはほとんどありません。真菌型の菌腫(真菌性菌腫:eumycetoma)の治療では、有効性が低い上に重篤な副作用の懸念がある非常に高価な抗真菌薬を長期にわたり服用する必要があり、最終的には切断手術を余儀なくされます。
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C型肝炎Hepatitis C virus

マラリア

約1億3,000万人–1億5,000万人が慢性的にC型肝炎ウイルスに感染し、肝炎を発症しています。C型肝炎ウイルスには6種の遺伝子型(ジェノタイプ)があり、世界中の研究開発の多くが高所得国で流行している遺伝子型を対象としています。患者の85%が低・中所得国で暮らしているにも関わらず、彼らが罹患する遺伝子型のための研究開発は進んでいません。企業間の競争が、公衆衛生では重要となるすべての遺伝子型に有効で最適な併用療法の開発を遅らせてきました。最新の治療薬である直接作用型抗ウイルス剤は非常に高価ですが、世界中のC型肝炎で苦しむ患者の半数近くは現行のライセンス許諾契約から除外された低・中所得国で暮らしています。
詳細(英語)
マラリアは、サブサハラアフリカでは1分に1人の子どもの命を奪い、世界で最も患者数が多く、死亡率も高い寄生虫疾患です。32億人が感染のリスクにさらされ、有効な治療法はあるものの、薬剤耐性の拡大など大きな問題を抱えています。DNDiは研究開発パートナーと協働し、安価で有効性が高く、現地での使用に適した2種類の治療法を開発しました。
詳細(英語)

 

[1] Pedrique et al. The drug and vaccine landscape for neglected diseases (2000-2011): a systematic assessment The Lancet 2013; 1(6) e371–e379

DNDiのプロジェクトおよび上記疾患の詳細については、www.dndi.orgをご覧ください。