アステラス製薬とDNDi:顧みられない熱帯病の治療のための新薬の創薬共同研究提携へ

[2012年6月12日]
アステラス製薬株式会社(本社:東京、社長:畑中好彦、以下、「アステラス製薬」)とDrug for Neglected Diseases initiative 「顧みられない病気のための新薬イニシアティブ」(本部:ジュネーブ、以下、「DNDi」)は、世界中で合わせて1千万人近い人々が罹患しているリーシュ マニア症、シャーガス病、アフリカ睡眠病の3つの顧みられない熱帯病(以下、「NTDs」)のための、創薬の共同研究提携について契約締結いたしましたの で、お知らせします。本契約は、NTDs疾患領域に参入するというアステラス製薬の新しい戦略の重要な一歩であり、DNDiはその最初のパートナーです。
本契約の下、アステラス製薬は、自社化合物を選定してDNDiに提供します。これらの化合物は、スイスのSwiss Tropical and Public Health Instituteでスクリーニングされますが、化合物の薬剤プロファイルは、アステラス製薬の前臨床および/あるいは臨床段階で検討されたものです。 DNDiは、抗寄生虫活性を調べるために化合物の再プロファイリングを行い、3つの対象疾患のための新しい抗寄生虫薬候補としての可能性を評価します。

「私たちは、アステラス製薬を、NTDs疾患領域における新しいパートナーとして歓迎します。顧みられない疾患領域、特にリーシュマニア症、シャー ガス病、アフリカ睡眠病といった最も顧みられない疾患において、この新しいパートナーシップは、喫緊の患者ニーズに応えるために必要不可欠な関係者の取り 組みを一層強化するものです。」と、DNDiのエグゼクティブディレクターのベルナール・ペクール博士は述べています。

「アステラス製薬は、有望な化合物が候補物質として同定されれば、この共同研究手法が新しい可能性のある薬物の早期開発ステージ入りにつながると考 えています。今後もアステラス製薬は、自社の先端科学に基づきNTDsの創薬研究に貢献することを追及していきます。」と、アステラス製薬の上席執行役員 研究本部長の塚本 紳一 博士は述べています。

顧みられない熱帯病(NTDs)について
NTDsとは、世界の貧困かつ疎外された人びとにきわめて多く感染がみられる、一連の熱帯病を指します。世界保健機関(WHO)によると、10億人 以上ないしは世界の人口の6分の1に及ぶ人々が17種のNTDsの1種以上に罹患しているとされます。DNDiとアステラス製薬はパートナーシップを結 び、以下のNTDsを対象とした新しい治療法の発見に取り組みます。 • リーシュマニア症は98カ国で発症が認められ、世界で3億5千万人の人々が感染のリスクにさらされています。感染源となる寄生虫はリーシュマニア原虫とい い、サシチョウバエが媒介します。

リーシュマニア症 は貧困関連疾患であり、いくつかの異なる種類があります。内臓リーシュマニア症は治療をしなければ命にかかわるものですが、もっとも一般的な種類は、皮膚 リーシュマニア症です。 現在ある治療法は、薬剤投与の困難さや毒性、コスト面の問題などがあります。薬剤耐性の問題も深刻化しています。

・ シャーガス病(アメリカトリパノソーマ症)は、ラテンアメリカ地域21カ国でみられる風土病で、この地域ではマラリアなどのその他の寄生虫疾患よりも多く の人の命を奪っています。世界的には1億人の人々が感染のリスクにさられており、本来発症がみられなかったアメリカ合衆国やオーストラリア、ヨーロッパの 一部の国々における患者数が増加しています。この病気はサシガメ科の昆虫が媒介し、治療しなければ命にかかわる可能性もあります。現在ある治療法は安全性 に重大な問題があり、また感染が長引くほど有効性が低下することが知られています。

・アフリカ睡眠病(ヒトアフリカトリパノソーマ症またはHAT)は、サハラ砂漠以南の国々における風土病であり、何百万もの人々が感染の危険にさら されています。この病気は ツェツェバエにかまれることで感染します。初期段階で治療しないと全身症状が発現し、さらに第2段階に進行して精神的衰弱が誘発され、6カ月から3年の間 に高い頻度で死に至る可能性があります。現在ある治療法には毒性や薬剤投与の困難さ、重大な副作用などの問題があります。この疾患は、治療せずに放置され れば、通常死に至ります。

アステラス製薬について
アステラス製薬株式会社は、東京に本社を置く、先端・信頼の医薬で世界の人々の健康に貢献する製薬企業です。アステラス製薬は、世界で約1万7千名の従業 員を有しています。当社は泌尿器疾患、免疫疾患(移植を含む)、感染症、がん、精神・神経疾患、糖尿病合併症および腎疾患の領域におけるグローバル・カテ ゴリー・リーダーを目指していきます。アステラス製薬株式会社の詳細な情報については、当社ホームページをご覧ください。

アステラス製薬は、パートナーシップの取り組みを通じて、発展途上国における“保健医療へのアクセス問題(Access to Health*)”の改善に取り組んでいます。“保健医療へのアクセス問題(Access to Health)”への貢献の一環として、アステラス製薬は、自社の創薬研究ノウハウやアセットを活用して、世界でNTDsに感染し苦しむ患者さんのための 新薬を生み出すため取り組みに着手します。NTDs治療のための新薬開発段階に踏みこむバイオベンチャーや製薬会社がほとんどなかったため、NTDs治療 の新薬候補はこれまであまり多くないのが現状です。アステラス製薬は、自社の創薬や感染症研究のノウハウや独自の化合物ライブラリーなどのアセットが、 NTDsの創薬研究に有効に活用できると期待しています。

*:世界には未だアンメットメディカルニーズの高い疾患・病気が数多く存在します。 また、貧困や医療システムの不備から、必要な医療を受ける事ができず、医薬品を入手できない多くの人々がいます。これをアステラス製薬では、「保健医療へ のアクセス問題」 (Access to Health)と捉え、企業市民の一員としてその問題解決へ向け取り組んでいます

DNDiについて
DNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative) は非営利の研究開発組織であり、顧みられない病気、特にアフリカ睡眠病(ヒトアフリカトリパノソーマ症)、シャーガス病、リーシュマニア症、マラリア、特 定のフィラリア感染症、小児HIVに対する新しい治療薬の提供に取り組んでいます。DNDiは、Médecins Sans Frontières/国境なき医師団(MSF)、ブラジルのオズワルド・クルーズ財団(FIOCRUZ)、インド医科学評議会(ICMR)、ケニア中央 医学研究所(KEMRI)、マレーシア保健省、フランスのパスツール研究所によって2003年に設立されました。国連熱帯病研究訓練特別計画 (WHO/TDR)が常任オブザーバーを務めています。

DNDiは2003年の設立以来、マラリア合剤2種類(ASAQおよびASMQ)、アフリカ睡眠病感染後期のためのニフルチモックス・エフロルニチ ン併用療法(NECT)、アフリカにおける内臓リーシュマニア症のためのスチボグルコン酸ナトリウム・パロモマイシン(SSG&PM)併用療法、 アジアにおける内臓リーシュマニア症のための一連の併用療法、小児のシャーガス病患者の治療に使用するベンズニダゾールの小児用製剤、これら6種類の顧み られない病気の患者のため新しい治療薬を提供してきました。

またDNDiは主要な対象3疾患に対し臨床研究プラットフォームの確立を支援しています:ケニア、エチオピア、スーダン、ウガンダにおけるリーシュ マニア症東アフリカプラットフォーム(LEAP)、コンゴ民主共和国(DRC)を拠点としたアフリカ睡眠病のためのHATプラットフォーム、そしてラテン アメリカにおけるシャーガス病臨床研究プラットフォーム。このような強力な地域ネットワークが、顧みられない病気を有する国々における研究および治療実施 能力を強化する助けとなっています。
www.dndi.org


連絡先:
アステラス製薬株式会社
広報部
Tel: +81-3-3244-3201 Fax: +81-3-5201-7473
http://www.astellas.com/en

DNDi
ヴィオレン ダレンバック
プレス&コミュニケーション マネージャー, DNDi
Email: vdallenbach@dndi.org
Tel: +41 (0) 22 906 92 47 Mobile: +41 79 424 14 74

DNDi Japan
平林 史子
Email: fhirabayashi@dndi.org
Tel: +81 (0) 3 6304 5588