<2018年3月29日DNDiが配信したニュースの和訳です>
ジュネーブ発 – DNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ、本部:スイス・ジュネーブ) は、このたび日本の製薬企業であるアステラス製薬株式会社が「顧みられない熱帯病 (Neglected Tropical Diseases、以下「NTD」) 創薬ブースター」に参画したことをお知らせいたします。NTD創薬ブースターは2015年にDNDiによって開始されたグローバルなコンソーシアムです。リーシュマニア症およびシャーガス病に対する新たな治療薬を見出すため、創薬プロセスの加速とコスト削減に取り組んでいます。
このたびのアステラス製薬の参画により、NTD創薬ブースターの製薬パートナーは日本の4企業を含む計8企業 (アステラス製薬株式会社、エーザイ株式会社、塩野義製薬株式会社、武田薬品工業株式会社、アストラゼネカ、アッヴィ、セルジーン、独メルク) となりました。
NTD創薬ブースターでは、DNDiが提示するある程度の活性を有するシード化合物をもとに、各製薬パートナーが保有する何百万もの化合物コレクションを多角的に同時探索します。各社のスクリーニングにより提示された有望な化合物については標的原虫に対する効力が試験され、最も有望な化合物に対しさらなるスクリーニングを繰り返すことにより、改良されたヒット化合物を見出します。
NTD創薬ブースターは開始から3年間で17のシード化合物に対するスクリーニングを行い、8つの改良されたヒット化合物群を同定し、現在これらに対するさらなる試験が進められています。
DNDiは本日、NTD創薬ブースターに対する公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金 (GHIT Fund) からの3回目の資金提供 (1億5,800万円 (約120万ユーロ) の追加支援) が表明されたことに感謝の意を表します。
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以上
Photo credit: Felipe Abondano-DNDi
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【アステラス製薬株式会社について】
アステラス製薬株式会社は、東京に本社を置き、「先端・信頼の医薬で、世界の人々の健康に貢献する」ことを経営理念に掲げる製薬企業です。既存の重点疾患領域である泌尿器、がん、免疫科学、腎疾患、神経科学に加えて、新たな疾患領域への参入や新技術・新治療手段を活用した創薬研究にも取り組んでいます。さらには各種医療・ヘルスケア事業との融合による新たな価値創出にも挑戦しています。アステラス製薬は、変化する医療の最先端に立ち、科学の進歩を患者さんの価値に変えていきます。www.astellas.com/ja
【Drugs for Neglected Diseases initiative, DNDi:顧みられない病気の新薬開発イニシアティブについて】
Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi: 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ) は顧みられない病気の治療薬開発 (R&D) に取り組む非営利の研究開発組織です。リーシュマニア症、アフリカ睡眠病、シャーガス病、フィラリア症、マイセトーマ (菌腫)、小児HIV、C型肝炎で苦しむ顧みられない患者に新たな治療薬を届けることを目指しています。特にシャーガス病およびリーシュマニア症を対象に、新たな化合物のスクリーニングと新規治療薬の開発を重点的に進めています。www.dndi.org
【DNDi Japanについて】
DNDi Japanは、2003年に日本の活動を開始し、2009年に特定非営利活動法人として東京都の認証を受けました。顧みられない熱帯病 (NTDs) に苦しむ途上国の人々を援助するために日本の窓口として、DNDi本部のプロジェクトを支援し日本国内外の協力先と協働して、NTDsの治療薬開発、それに関連する能力開発、ならびに啓発活動など、発展途上国の人々の保健医療、福利厚生に貢献することを目的とした活動を行っています。www.dndijapan.org
お問合せ:特定非営利活動法人DNDi Japan 広報担当 (Email infojapan@dndi.org / TEL 03-6258-0303)