GARDPが独立法人として始動

[2019年4月2日 ジュネーブ]

     

  • Ÿ 設立パートナーとの継続した緊密な連携は、薬剤耐性(AMR)に対するGARDPの取り組みを強化するものです

 

GARDP (Global Antibiotic Research and Development Partnership グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ) は、DNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ) による3年間のインキュベーション期間を経て、この度、独立法人となりました。この期間中、GARDPは既にパートナーとの連携を開始し、持続可能な開発目標 (SDGs) を含めた地球規模での保健や発展にとって脅威となる薬剤耐性菌感染症を克服するために、抗菌薬の開発に取り組んできました。

2016年に世界保健機関 (WHO) と非営利の研究開発 (R&D) 組織であるDNDiによって発足したGARDPは、WHOのAMRに関するグローバル・アクション・プランの重要な一翼を担っています。インキュベーション期間中、ドナーおよびパートナーからの貴重なご支援をもとに、GARDPは幅広い分野の専門性と経験を持つ熟練した専属チームを作り上げました。このチームを、グローバル・ヘルスを代表する国際的な専門家による理事会が率いています。

この3年間にGARDPは、産業界、学術界および研究機関と数多くのパートナーシップを築き、小児の薬剤耐性菌感染症、新生児敗血症および性感染症に対する抗菌薬開発を目指した臨床試験を支援してきました。これらのパートナーとの連携は医薬品開発のプロセス全体、つまり化合物ライブラリーを用いた抗菌活性のある化合物のスクリーニングから、潜在的な抗菌薬候補化合物の評価、そして3つの臨床試験にまで及んでいます。特筆すべきは、GARDPの支援により、今年後半に淋病の画期的 (ファースト・イン・クラス) な新規抗菌薬を用いた、極めて重要な国際共同第Ⅲ相臨床試験が開始されることです。

GARDPの理事長、ラマナン・ラクシュミーナラヤン (Ramanan Laxminarayan) 教授は、次のように述べています。「GARDP発足の起源がWHOおよびDNDiにあること、そしてこの3年間の著しい進捗により、GARDPは新規抗菌薬を市場にもたらす後押しをする重要な役割を果たせる立場になりました。GARDPはまた、次世代の人々が、手頃な価格で有効な抗菌薬を確実に入手できることにも焦点を当てています。GARDP理事会を代表して、私はDNDiとWHOのこれまでのリーダーシップと支援に感謝しつつ、GARDPの更なる発展に期待しています。」

WHOとDNDiの共通ミッションのもとに設立されたGARDPは、WHOが持つAMRに対する保健分野の優先課題を特定し、世界的な取り組みを先導する専門性と、DNDiが持つ官民連携を促進し、公衆衛生ニーズに基づいて研究開発パイプラインを構築する専門性、その両方の強みを受け継いでいます。

GARDPのホストとして、DNDiはGARDPに設立初期のガバナンスおよび効果的な活動開始に必要な支援を提供してきました。公衆衛生ニーズに基づく研究開発および医薬品アクセスへの共通のコミットメントのもと、DNDiとGARDPは今後も連携し、研究開発の専門性と能力、政策提言の強み、および一部の設備とサービスを共有し、効率性の向上に努めます。各国でのGARDPプログラムは、DNDiが有する地域ネットワークおよび南アフリカにあるDNDi / GARDP共同事務所により支援されます。

「私たちは、GARDPが患者のための抗菌薬を開発するというミッションを開始するのに必要な環境を提供できたことを誇りに思います。」とDNDiの理事長であるマリー・ポール・キニー (Marie-Paule Kieny) 博士は述べています。「DNDiとGARDPは公衆衛生ニーズに基づく研究開発により、手ごろな価格の治療薬への公平で持続可能なアクセスを確保するという共通のビジョンを持っています。私たちは、GARDPとDNDiが対象とする人々の最大の利益のために、GARDPとの今後の強い連携の下で、資源および知識が共有されることを期待しています。」

GARDPはまたWHOとの緊密な連携を継続し、公衆衛生上の優先課題決定、ターゲット・プロダクト・プロファイルの作成、医薬品の適正使用およびアクセス、地域ネットワーク、ならびに加盟国との連携におけるWHOの専門性およびリーダーシップを活用していきます。

WHOの事務局長であるテドロス・アダノム・ゲブレェサス (Tedros Adhanom Ghebreyesus) 博士は、次のように述べています。「薬剤耐性菌の増加は、医薬品開発における何十年もの発展を危うくし、かつては簡単に治療できた感染症に対する私たちの予防および治療を脅かしています。GARDPの設立機関の1つとして、WHOはグローバル・ヘルスに対する最大の脅威の1つに取り組むGARDPの一層の熱意に対する支援を継続していくことを約束します。AMRに関するグローバル・アクション・プランを実施する上でGARDPは不可欠な存在です。」

GARDPは、発展の次なる段階に向け、設立パートナーとの緊密な連携に期待しています。連携の継続は、必要とするすべての人々に対して着実に抗菌薬が開発される世界を築くというGARDPの取り組みをより確かなものにしていくことでしょう。

 

<GARDPについて>
GARDP (Global Antibiotic Research and Development Partnership グローバル抗菌薬研究開発パートナーシップ) は新規もしくは改良された抗菌薬の開発と持続可能なアクセスの担保により、全世界的な公衆衛生ニーズに対応する非営利の研究開発組織です。
WHO (世界保健機関) およびDNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ) により設立されました。WHOはその薬剤耐性に関するグローバル・アクション・プランの中で、新規の抗菌薬や診断法の研究開発を喚起する新たな官民パートナーシップの必要性を訴えており、GARDPはその重要な役割を担っています。www.gardp.org

<DNDi について>
非営利の研究開発組織であるDNDiは、リーシュマニア症、フィラリア感染症、ヒトアフリカトリパノソーマ症 (アフリカ睡眠病)、シャーガス病、マイセトーマ (菌腫) を含む顧みられない病気、および小児HIVや高額な治療薬ゆえアクセスに課題のあるC型肝炎で苦しむ顧みられない患者のための新たな治療薬の開発に取り組んでいます。
DNDiは設立以来、8つの新たな治療法を開発し、患者に届けています。内臓リーシュマニア症のための一連の併用療法、2種類の固定用量抗マラリア薬、およびDNDiによる新規化合物からの開発が初めて成功したフェキシニダゾールなどです。フェキシニダゾールはアフリカ睡眠病の両ステージに有効な治療薬として2018年に推奨されました。www.dndi.org

以上

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<報道関係問い合わせ先>

GARDP (特定非営利活動法人DNDi Japan内)
井本 大介
Tel: 03 6258 0303
dimoto@dndi.org