田辺三菱製薬株式会社とDNDi (Drugs for Neglected Diseases initiative 顧みられない病気の新薬開発イニシアティブ) は、このたび公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金 (GHIT Fund) より、新たな創薬プロジェクトに対する1,500万円 (約13万ユーロ) の助成金の提供が決定したことをお知らせします。
本共同プロジェクトでは、田辺三菱製薬が保有する51,200もの多様な化合物で構成されるライブラリーのスクリーニングを行い、内臓リーシュマニア症を引き起こす原虫(Leishmania donovani)、およびシャーガス病を引き起こす原虫(Trypanosoma cruzi)に対し抗原虫活性を示す化合物を探索します。本スクリーニングはDNDiの長年のパートナーである韓国のパスツール研究所で行われます。
内臓リーシュマニア症はアジア、アフリカおよび南アメリカで最大90,000人の症例が推定されています。原虫疾患の中ではマラリアに次ぐ世界で2番目の死亡原因であり、毎年20,000-30,000人の死亡が報告されています。シャーガス病は世界中で600万人の感染が推定されており、回復不能な臓器損傷を招き、死に至る可能性のある疾患です。
参考情報
• GHIT Fund プレスリリース
• 田辺三菱製薬 ニュースリリース
<DNDi について>
非営利の研究開発組織であるDNDiは、リーシュマニア症、フィラリア感染症、ヒトアフリカトリパノソーマ症 (アフリカ睡眠病)、シャーガス病、マイセトーマ (菌腫) を含む顧みられない病気、および小児HIVや高額な治療薬ゆえアクセスに課題のあるC型肝炎で苦しむ顧みられない患者のための新たな治療薬の開発に取り組んでいます。
DNDiは設立以来、8つの新たな治療法を開発し、患者に届けています。内臓リーシュマニア症のための一連の併用療法、2種類の固定用量抗マラリア薬、およびDNDiによる新規化合物からの開発が初めて成功したフェキシニダゾールなどです。フェキシニダゾールはアフリカ睡眠病の両ステージに有効な治療薬として2018年に推奨されました。詳細については、www.dndi.org をご覧ください。
以上
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<DNDi 報道関係問い合わせ先>
特定非営利活動法人DNDi Japan
井本 大介
Tel: 03 6258 0303
dimoto@dndi.org
Photo credit: Vinicius Berger-DNDi